昭和からの記憶の旅

わたしが実際に生まれ育った昭和。冬は火鉢が当たり前。子供たちはどんな遊びをしていたのか。アイスクリームが十円だった時代から現在までを振り返ります

第7回  男の子向けのアニメだったけど、女性が素敵でした

 わたしが幼稚園に入園した年は、テレビアニメの放送が急激に増えた時期です。おそらく前年に東京五輪が開催された影響でしょう。ほとんどの家にテレビがあるようになり、子供たちは同じ番組を見て育つようになりました。そのため後々まで井戸端会議のように、スーパージェッターの流星号の発進するときの妙な音が、笑い話として共有できるとかの環境になったわけです。

 現在はアニメがあまりにも分化しすぎて、隣人の趣味がなんだかわけ分からなくなっていますが、当時はみんなが同じものを見ていたから、このあたりは、まるっきり同じ言語を話す部族のように話が通じると思います。

 懐かしのアニメという触れ込みはいたるところにありますが、子供たちが何を強く感じたのかは、やはりその頃リアルタイムで見ていた世代が白状するしかありませんね。というわけで、あくまでもわたしの主観にもとづく告白録です。

 なんとなくですが、女性ヒロインが出てくるかどうかでわたしは区別しているようです。

 スーパージェッターにはカオルさんという女性新聞記者がいて、スパッツというのでしょうか。先の締まったズボン(パンツですね)を履いていて、「ジェッターくん」と言って彼に話しかける姿がとても魅力的で、今思い出していたら、「恋人になってほしたかったなあ」と空想してしまいました。

 このブログはアニメの紹介ではないので、細かい内容は書きませんし、そもそもはっきり覚えていない部分もあるので、当時のわたしがどのように感じたのかを何かの参考にしてもらえれば幸いです。たぶん非常に多くの子供たちが同じように感じた部分があると思います。

 宇宙少年ソランには、シーラという少女がいまして、彼女が出てくると、アラビア風の音楽が流れるのです。 ラーーーーララララーーーーーーー。 

 ソランとシーラのやりとりはとても美しかった。でもシーラは悲しげでした。みずからの運命を承知していたのでしょうか。

 二人は少年少女なので、わたしは自分の事のように感じてしまったものです。小学生になってからもかなり長い間、シーラはわたしの心の中にいました。わたしが最初に体験したラブロマンスです。

 ワンダー3(スリー)には、宇宙人のボッコ隊長という女性が登場します。少年が大人の女性と常に行動をともにできるというのは憧れですよね。真一の前ではウサギの姿で可愛らしくて、でもいつも真一を気にかけているお姉さんでした。そんなボッコが本当の自分を真一の前に晒したとき、わたしはかなり現実的な大人の恋を感じました。異質な世界の裁判官にいじめられている自分を庇ってくれる女性。恋しちゃいますよ。絶対。

 ジャングル大帝レオでは、ライアという女の子(と思ってくださいね)ライオンが、レオのガールフレンドです。二作目ではレオとライアは結婚して子供までいるので、なんというか、母親になったライアが妙に艶かしく感じたのはわたしだけでしょうか。

 この年のアニメには確固とした女性キャラクターが登場します。そのため男女のふれあいが大っぴらです。恋愛的な要素が強いのです。

 この年のアニメと前年まで(東京五輪以前)のアニメはこの点が違います。五輪で女性がユニフォームで飛んだり走ったりする姿をテレビで放映したんで、世の中の何かが外れたんでしょうか。

 しかし人間同士の恋愛感情がはっきりと描かれるようになるにはまだまだこれから先、紆余曲折しなければならなかったようです。まだ本格的な学園モノがなかったのですから。

 東京五輪以前に放送されたアニメもほとんど知っていますが、初回放送から見ていたとしても、わたしはまだ幼すぎたので、よくわからなかったと思います。再放送で見たほうが記憶に強く残っているかもしれません。

 特に「狼少年ケン」はずいぶん年数が経ってからも何度も再放送をしていたと思います。再放送をしやすいアニメってあるんでしょうか。

 個人的には「風の藤丸」が好きでした。